
医学部再受験を成功させるには私立も目指す!
医学部再受験生のブログをよく見かけますが、多くの人はやはり学費の安い国公立を目指している傾向にあります。
しかし、本当はセンター試験の受験が必要なく、文系科目の対策が不要な私立のほうが合格できる可能性は非常に高いです。
医学部再受験生のブログでは国立大学医学部に合格している人もいるので自分も目指してみようと思う人もいるかと思いますが、ブログ数が多いとっても何十サイトもあるわけではなく、また合格年度が一緒でもないため、今までの累計から考えると少なすぎます。
ただでさえ医学部再受験は難易度が非常に難しく、2chなどの掲示板でも失敗した際の闇の部分が議論されているくらいです。
そのため、学費が高いと初めから私立大学医学部を除外せずに志望校として選択肢に入れて合格できる可能性を自ら高めていきましょう。
しかも、私立の場合は入試日程が合わなければ、併願受験ができるので、国公立のように一発勝負ではなく、複数校を受験して合格の機会を増やすことができます。その日の調子によって出来が違ってくることもあるので、併願受験は非常に効果的です。
医学部予備校など再受験生の合格実績を見てみると私立の医学部に合格している人が多く、やはり国公立1本では厳しいとしか言いようがありません。
したがって私立を目指せない医学部再受験生は、挑戦すること自体を見直したほうが良いかもしれません。
特に、仕事を辞めて医学部再受験を行う人は、不合格だからと言って簡単に再就職することが難しいからです。
受験期間が長引くとそれだけ経歴に空白期間ができてしまうため、採用側の評価は下がる傾向にあります。
次の就職は、大きく条件を引き下げる覚悟が必要です。
最後に私立を目指す場合の注意点としては、国公立と違い私立の場合は医学部の歴史よりも学費の安い大学のほうが偏差値は高くなりがちです。
下記の図を見てわかる通り、偏差値60程度が求められる私立大学医学部において、学費の安い大学はどこも偏差値60後半から70以上の高度な学力が要求されています。
いっぽう、学費が最も高額な川崎医科大学は、私立のなかでは偏差値が一番低くなっているので、経済的に余裕がある再受験生にはおすすめです。
それでも、国公立のように文系科目やセンター対策をしないで良い分、私立大学医学部は再受験生にとって対策しやすいと言えます。
限られた科目を集中して勉強できるため、医学部合格も実現性を帯びてくるので、ぜひ私立も候補に入れて再受験生を検討することをおすすめします。
★学費総額3000万円未満の私立大学医学部一覧
順位 | 大学名 | 学費6年総額 | 偏差値 |
---|---|---|---|
1 | 国際医療福祉大学 | 1,850 | 65 |
2 | 順天堂大学 | 2,080 | 70 |
3 | 慶応義塾大学 | 2,199 | 72.5 |
4 | 日本医科大学 | 2,200 | 70 |
5 | 昭和大学 | 2,200 | 67.5 |
6 | 東京慈恵会医科大学 | 2,250 | 70 |
7 | 自治医科大学 | 2,260※1 | 67.5 |
8 | 東邦大学 | 2,580 | 67.5 |
9 | 関西医科大学 | 2,770 | 67.5 |
10 | 東京医科大学 | 2,940 | 67.5 |
11 | 藤田医科大学 | 2,980 | 65 |
※自治医科大学は卒業後9年間指定の医療機関で勤務した場合、学費相当分の奨学金が全額返済免除
入試不正発覚で医学部再受験生の合格は改善された?
前に東京医科大学を発端に多くの医学部で発覚した不正入試について紹介しました。
その後、不正入試はどうなったのか?
2018年から時間がって様々な情報やデータが出てきたので、今回は「その後」についてまとめてみます。
医学部再受験生にとって合格しやすくなったのでしょうか?
それでは確認していきましょう。
医学部入試不正のおさらい
2018年に東京医科大学で裏口入学が発覚し、その後の調査で年齢(多浪・医学部再受験)や性別で不利な入試を実施していることが分かりました。
これを機に厚生労働省が全国の医学部を調査し、この結果複数の医学部で不正入試が判明し、世間でも大きく注目を集めたのが記憶に新しいところ。
東京医科大学以外に不正入試を認め公表した大学は最終的に2020年時点で下記9大学にも及びました。
- ・神戸大学
- ・昭和大学
- ・順天堂大学
- ・岩手医科大学
- ・金沢医科大学
- ・福岡大学
- ・北里大学
- ・日本大学
- ・聖マリアンナ医科大学
その後の医学部入試動向
不正入試を機に注目集めたのが2019年度の医学部入試でした。
医学部再受験生にとっては不正が改善されるのではないかと期待された年でしたが、一体どうなったのでしょうか。
ここでは、文部科学省が調査したデータを基に、不正入試を認めた医学部の中から医学部再受験生に該当する年齢差別を実施していた大学について詳しく見ていきましょう。
大学名 | 不正内容 | 2019年度の入試状況 |
---|---|---|
順天堂大学 | 一般A方式において、学力試験の順位が一定水準以下の場合、浪人年数によって男性の受験生に比べて女子の受験生が不利になる合否判定を実施していた | 合否判定基準において、年齢や性別等による取り扱いを廃止し、成績順位で合否を決定。 |
昭和大学 | 現役生・1浪人受験生は、調査書の評価において加点を実施していた。 | 調査書の評価において現役生・1浪人生の一律の加点を廃止。 |
東京医科大学 | 2次試験科目の小論文において、性別や年齢に応じて点数調査を実施していた。 | 一律に点数調整を行うシステムを廃止 |
北里大学 | 繰上げ合格において、補欠合格者への電話連絡を、成績順位通りではなく、性別や年齢を考慮していた。 | 繰上げ合格の連絡は、成績順に電話連絡を行うよう改善。 |
金沢医科大学 | AO入試、学士編入、一般入試の補欠合格者への電話連絡において年齢を加味していた。 | 年齢などの属性による取り扱いを廃止し、成績順に合否を決定。 |
福岡大学 | 調査書の評価において、高校卒業年数により一律に差異を設けていた。 | 調査書は面接の参考資料として点数化を廃止。 |
聖マリアンナ医科大学 | 調査書等の評価に落ちて、性別や年齢で一律に差異を設けていた。 | 調査書の点数化を廃止し、属性による一律的な取扱いは確認されなかった。 |
医学部再受験生にとっては朗報?
不正入試後の2019年度には男女や年齢を理由にした差別は減少傾向にあり、医学部再受験生の合格者数も上がったと思われます。
ただし、注意したいのは、この状態がいつまで継続するかということ。
また、以前のような選抜方法に戻ってしまい、医学部再受験生が不利になることだって否定はできません。
したがって、今うちに医学部再受験生は合格してしまうのが一番の方法です。
医学部では推薦枠が増えている
もう1つ気にあるのが、医学部入試において一般入試の定員を減らして推薦入試の定員を増やしていること。
推薦入試は、現役生や1浪生を受験資格としている医学部が多く、医学部再受験生は出願すらできない大学が多いです。
この場合、少なくなった一般入試で合格する方法しか医学部再受験生にはないので、難易度が自ずと高くなってしまいます。
地元へいの医師確保のために、医学部では今後も地域枠を用いた推薦入試を増やしていくでしょう。
まとめ
以上、2018年の医学部不正入試の発覚後のその後について紹介してきました。
医学部入試については改善が見られたものの、いつまでこの状態が継続するかは不確かです。
一般入試枠の定員が減少していることも考えると、医学部再受験生は1年でも早く今のうちに合格してしまうのが一番の解決策。
一般入試枠が多く、公正な入試がを実施している今がチャンスです。
プロフィール

ロブマイヤー
ワイン好きです。現役時代に医学部受験に失敗して都内中堅私立の理学部に進学しましたが、やはり医学部を諦めきれず、26歳で再受験に挑戦します。2年後に国立大学医学部合格を目指します。
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